初心者向けガンプラ全塗装のやり方

さあガンプラを作って塗装しよう!

と思ったけど…

・何から始めればいいのか全く分からない
・調べてみたが情報が多すぎて完成までの大まかな流れが分からない。

そういった初心者に向けた記事となります。

(少し長い記事ですが、これを読めば全体の流れが分かる様になりますので、ぜひ読んでみてください。)

まずは仮組み

まずは説明書通りプラモデルを作っていくのですが
塗装をする場合はこの段階から少しづつ塗装への準備をしていきます。

まず普通に組み立てる際パーツとパーツを差し込んでいきますが
塗装をする場合、組みあがったものを何度も分解していく事になります。

その際に差し込みの硬いパーツなどは分解がとても大変になるので
ピンの部分などを少し切り落として、分解が楽に行えるようにします。

このように斜めにカットしたり大胆にすべてのピンをカットしたりします。
塗装をする際はのちに紹介する合わせ目消しなどを行うので
多少ピンをカットし過ぎてしまってパーツ同士のはめ込みが緩くても接着剤で止めれば問題ありません。

またクリアパーツや

のような一度取り付けると外すのが困難なパーツは組み立てずにおいておきます。
(ランナーから切り離さずにおいておくと無くさずに済みます。)

さて次にやる事はバリ取りやすり掛けなどですが
ガンプラを塗装する際に墨入れという作業があります。
この墨入れをするかしないかで工程が変わってきます。

墨入れとは?

このようにパーツの溝の部分に塗料などを流し込み溝がはっきり見えるようにすることです。
こうすることによって細かなデザインなどが際立ち、より一層かっこよくなります。
そのためにはパーツそのままでもいいのですがスジボリという作業を行うことによって、より綺麗に塗料を流し込めるようになります。

墨入れをする場合はスジボリをする方が良い

スジボリ

パーツの溝の部分などをタガネ等を使い彫っていきます。
またガイドテープなどを使い新しく溝を追加することもできます。

ガイドテープなしで彫るのはやめましょう大体失敗します。

初心者のうちは新規で溝を追加せずに既存の溝を彫るだけでもしっかり塗料が入りかっこよくなります!
基本的にはヤスリ掛けの前にスジボリをすることをお勧めします。
先にヤスリをかけてしまうと既存の溝や凹凸がなくなりスジボリがやりづらくなります。
やすり掛け後にスジボリをする際はガイドテープなどを使って、はみ出さないようにするといいでしょう。

さてスジボリができたら次はキットにもよるのですが合わせ目消し後ハメ加工をしていく事になります。

合わせ目消し

合わせ目とは

のように本来必要のないところにパーツ同士の隙間ができる事をいいます。
こちらを隙間が出ない様に接着し、その後ヤスリをかけることで合わせ目を消していきます。
また合わせ目を消す際にはめ加工というものが必要になる場合があります。

この辺でややこしくなってきますよね…
一度流れをまとめておきます。

まずは仮組み(ピンを削除しておく)
墨入れをする場合はスジボリ
合わせ目が出る場合は合わせ目消し
合わせ目を消す際に後から組み立てれないパーツがあれば後ハメ加工

という流れです。
スジボリも合わせ目消しも必要がなければやらなくていいので省略することができます。
(最近のキットは合わせ目が出ない物も多くなっています。技術力の進歩ですね!)

後ハメ加工

合わせ目消しをするにはパーツ同士を接着しないといけないのですが
当然一度くっつけたパーツは外せません。
なので

のように塗装する際に色を塗り分けるところや
組み立ててからだと塗装がしづらくなるパーツなどは
接着したパーツに対して後からでも組み立てられるようにしないといけません。

例えばこちらのガンダムの頭などは分かりやすいです。

干渉する部分を切り落とします。最終的に接着剤などで止めれば落ちてこないので問題ありません。

段落ちモールド

また後ハメ加工が大変なとき
あるいはデザイン的に残して利用したい時などに段落ちモールドを作成するときがあります。

段落ちモールドとは

のように一段下がって溝のようになっている部分の事です。
例えばこちらのパーツでは

接着して合わせ目けしをしてもいいですが
段落ちモールドをつけると

このようにスジボリみたいになりディテールがアップします。
このあたりはどちらを選ぶかなどはモデラーのセンスになります。
削りすぎると強度が落ちて割れてしまいますので削りすぎには注意が必要です。

ヤスリがけ

さて一通り工作が終わればヤスリをかけてパーツの表面を綺麗にしていきます。

なぜヤスリがけが必要なのか?
これは様々な要因があるのですが、基本的にはパーツのいらない凹凸を消すためです。
パーツをよく観察すると分かりますが平らなパーツでも結構凹凸があります。

こちらはパーツのヒケになります。光の反射を見ると分かりやすいです。

またパーツをヤスリ掛けすることによって表面がざらつきます。
塗料というものはつるつるの面にはなかなか塗料が乗りません。
なのでヤスリがけをすることによって塗料が乗りやすくなる効果もあります。

・ヤスリの番号の意味は?

パーツをヤスる際ヤスリを使うことになりますが番号が振ってあります。
この番号の意味は

1インチ(25.4mm)の面積の中にヤスリの粒がどれだけ並ぶか

を表しています。
つまり数字が大きいとたくさん並ぶため一つ一つのサイズは小さくなります。
つまりヤスリのザラザラが細かくなります。
逆に数字が小さいと粒が大きくなりザラザラは荒くなります。

・数字が大きいほどザラザラになり
・数字が小さいほどつるつるになっていくイメージです。

だいたい800番くらいのヤスリ跡ならサーフェイサー(表面処理の為の塗料)を吹けばわからなくなります。
最初のうちは320又は400くらいから800くらいまで削れば問題ないですね。

塗装準備

パーツ洗浄

さてヤスリ掛けが終わったら次はいよいよ塗装に入りますが、その前にヤスリで汚れたパーツを洗浄していきます。

パーツの洗浄はブラシを使って洗面所などでやってもいいですし、超音波洗浄機などを使用して洗浄することもできます。

洗剤を入れて洗う方法もありますが入れなくても問題なく洗えます。

洗った後はトレーなどに並べてしっかり乾燥させましょう。
食器用の乾燥機を使用する方法もあります。
(乾燥はしっかりやりましょう、水分が乾ききっていないとエアブラシで吹き付けた際にパーツの隙間に入っていた水滴が出てきて塗料がはじかれ失敗します。)

持ち手棒へ挟む

洗浄と乾燥が終わり、これからパーツを塗装していきます。
まずはパーツを塗装しやすいように色ごとに分けていきます。
分解した方が塗りやすそうなパーツは分解していきます。
そのあとに、こういったパーツを持ってくれるクリップの棒を使用します。

猫の手持ち棒や、トラの手などと呼ばれるモノですが、塗装の際にはほぼ必須となっております。
こちらの商品は色んな種類が売られているので購入するもよし、自分でクリップと棒を買ってきて自作するもよし、またパーツによって持ちやすい形状がありますので自分に合ったものを探すのが良いでしょう。

挟んだ持ち手棒は猫の爪とぎなどに使われる段ボールの板に刺していきましょう。
このあたりも時間のある方は自作などすればお金を節約できますよ。

ネコの爪とぎ用段ボール

マスキング

塗装

さて、いよいよ待ちに待った塗装のお時間です!
どんどんパーツの色が変わって完成していく様は最高に楽しい時間ですね!

塗装に関しては様々な塗り方や、テクニックがありますが今回は基本的な塗装を紹介していきます。

まずは多くの人が利用するサーフェイサーを塗装していきます。

サーフェイサーとは?

サーフェイス、つまり表面のことですね。
まずはパーツの表面の細かな傷や凹凸を隠すためサーフェイサーを塗りパーツの面を整えていきます。
このサーフェイサーについても表面処理をしっかり仕上げた場合は必要がないので省くこともできます。
この辺りは個人の感覚になってきますね、モデラーの方たちの間でもさまざまな意見があるところです。

またサーフェイサーにはパーツの下地の色を変える役割もあります。
例えば赤いパーツや青いパーツを両方とも白色にするとします。
普通に白を塗っただけでは下地の色が透ける場合があり、うっすら赤い白とうっすら青い白のパーツが出来上がってしまいます。
塗料には隠ぺい力というものがあり、隠ぺい力の弱い塗料は下地の色が透けてしまいます。
なのでサーフェイサーを一度全てのパーツに塗装することで下地の色を整えて、同じ色であればどのパーツでも同じ色が出るように整えることができます。

この場合の効果を求めているときはサーフェイサーとして売られている塗料でなくても隠ぺい力の強い塗料を使ってあげれば下地の色を均一にできます。
多くのモデラーの方は白、黒、グレーあたりの色を使用していることが多いです。

出来上がりのプラモデルの色を明るい塗装にしたいのであれば白、暗くしたいのであれば黒、その間を取ってグレーのような感覚で使用すればいいと思います。
この辺りは自分で作りたいプラモデルのイメージに合わせて利用してください。

塗装(メイン)

さて下地を塗り終えることができたら、次はメインの色を塗装していきましょう!

説明書通りに色を塗ってもよし、自分で考えた色に塗装するもよし、今回の制作のメインの部分になってきます。

ではまず塗料を攪拌していきます。塗料は色を持つ顔料と溶剤できています。この顔料が沈殿していたりするのでしっかり攪拌しないと正しく塗れません。なのでしっかりと攪拌してから塗装していきます。

さて次に適正な濃度まで塗料を希釈していきます。塗料用のシンナーなどを使い薄めます。この際の希釈の割合ですが、よく1:1などと書かれていたりしますが実際は塗料の種類や状態によって毎回変わります、なので自分の中で基準を見つけてそれに合わせて希釈するのが良いと思います。希釈した塗料を紙などに垂らして流れる速度を見たり、エアブラシに入れてうがいをして泡の立ち方を見たり、この辺りは何度もテストしたり、経験したりして練習していくしかないでしょう。

一番は毎回試し吹きをして状態を見ることですね。

さてエアブラシのカップに入れたらいよいよ塗装していきます。まずはパーツをしっかりと持ちどこから塗るか見極めていきます。よく言われるのは縁の部分奥まった部分など塗料が塗りにくいところから塗っていくとよいと言われます。そうすることによって塗料の吹きすぎを防ぐことができます。
この辺りもパーツの形状によって毎回変わるので、経験を積むしかないです。

きっと初めての塗装の際は吹きすぎて塗料がたれたり表面がザラザラになったりすると思います。失敗した際はいったん落ち着いてパーツが乾くのを待ちましょう。何とかリカバリーできないかなと塗料が乾いてないのに焦って色々やっても悪くなる一方です。失敗した場合はしっかり塗料が乾いてから後でヤスリをかけて塗料をはがしまた塗りなおしたりする方がよっぽど綺麗に治ります。

一つの色が塗り終わったらエアブラシの掃除をしっかりして、次の色を塗っていきましょう。しっかりエアブラシを掃除しないと前の色と混ざってしまうので気を付けましょう。

いろいろ注意するとこも多いですが、初めての塗装はきっと楽しいと思います。買ってきたままのパーツの色ではなく自分の気に入った色にどんどん変わっていくパーツを見るのはとても楽しいですよ。

模型は楽しく作ってなんぼです。

ただ換気と休憩だけは気を付けてくださいね。

塗装(コーティング)

さてメインの塗装が終わったら最後にコーティングをしていきます。

トップコートを吹くことで塗装面をコーティングして塗装が剥がれにくくなります。コーティングの塗料には何種類かあり、よく使われるのは光沢つや消し半光沢などです。

光沢は名前の通りつやがあります。さらにコンパウンドなどで磨くとよりテカテカのコーティングになります。

つや消しはつやが消えます。そのままです。イメージとしてはすりガラスの様なことです。粒の荒い塗料でコーティングすることによって光が乱反射し、つやが消えて見えます。ただし注意が必要で塗りすぎてしまうと光の乱反射が大きくなり、パーツが白くなって見える現象が起きます。白濁化と呼ばれたりするもので注意が必要です。何度かに分けて薄く塗っていくのが最初はおすすめです。

半光沢はつやありとつや消しの間の様な塗料です。

メーカーや種類によってコーティング後の見え方が違いますので、何本か買って試し塗りして自分の理想のコーティングを見つけるのが一番です。

あととにかく埃には注意してくださいね、塗装の大敵です。塗る前はしっかりエアーで埃を飛ばしたり、ブラシなどでパーツを綺麗にしてから塗ってください。何より部屋の掃除が大事ですよ。

組み立て

さあいよいよ組み立てに入ります。

プラモデルを作るうえで一番楽しい時間ですね。自分で作り、色を塗り、自分好みの世界に一つだけのプラモデルが完成する瞬間です。

ただ注意する点もあります。それは組み立てる際に塗装がはがれないように気を付けましょう。

例えばこういったパーツを組み立てる際に、パーツ同士がこすれてはがれてしまう事があります。
こういった事故を防ぐためにあらかじめパーツにマスキングテープなど貼って、パーツがしっかりはまったら、マスキングテープをはがして抜いていきます。

マスキングテープは事前に何度かぺたぺた触って粘着力を落としてもいいですね。

さて慎重に組み立てたら完成です!

あとは好きなように飾ったり、眺めたり、写真を撮ってみたりしてもいいですね。

まとめ

これでガンプラの全塗装が完成です。色んな工程があり最初は大変ですがだんだん慣れてきて効率もよくなってきます。また塗装だけではなく新しくディテールを追加したり、他の機体とミキシングしてオリジナルの機体を作ったり、どんどん新しいことに挑戦してみてください。

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